撮影・橋爪拓治記者
作家の池井戸潤さんが2年ぶりの長編『ブティック』を出しました。創作への思いを聞きました。
金子徹記者
新作は、ファッション業界の話かと思いきや、経済界が舞台です。
「仮のタイトルを、あえてそのまま使いました。意外にこれでいいじゃないか。多分、みんな間違えるだろうと(笑い)」
主人公は、メガバンクに入行して3年目の雨宮秋都(あまみや・しゅうと)。ある案件で良心を貫き、上司から理不尽な仕打ちを受けます。
〈違和感を禁じ得ない。銀行はそんなに偉いのか―〉
不正にあらがう雨宮の姿は「半沢直樹」シリーズをほうふつとさせます。
〈何が正しいのかを知ってしまった以上、それを看過するのは銀行員である前にひとりの社会人として、正しい判断とは思えなかったからだ〉
〈こんな組織で何十年も勤め上げ、牙を抜かれて流されていく生き方が本当にいいのか〉
出世の道を絶たれ、傷つく雨宮。進路を模索するなか、M&Aブティック(企業買収をとりもつ会社)と出会い…。
「専門用語につまずくことなく、スムーズに読めるよう気をつかいました。吸収合併というと、ダメになった企業が買収されるというイメージがあるでしょう。でも、M&Aもだいぶ変わり、発展するための吸収合併という側面が出てきています。売る側も買う側も、双方がハッピーというケースが多いんです」
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