世界の平均気温が上昇傾向にあります。日本でも猛暑による熱中症の増加が深刻です。こうした中で街路樹の役割が注目されています。樹木研究の第一人者で、日本庭園学会会長も務めた千葉大学名誉教授・藤井英二郎さん(環境植栽学)に寄稿してもらいました。
猛暑日が年々増え、温室効果ガス削減は急務です。街路樹には人命と環境を守る多面的役割があります。
温暖化ますます
温暖化による急激な気温上昇は、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の予測の最悪シナリオである温室効果ガスの大量排出が続く「RCP8・5」をたどっているようです。このシナリオは1986~2005年を基準とした21世紀末の世界平均地上気温が2・6~4・8度上がる予想です。(環境省)
実際に、川崎市では過去10年当たり0・54~0・58度上がり、千葉県船橋市では過去41年で1・92度上がっています。実感しやすいのは、猛暑日が例えば京都市で25年に60日を超えてしまったことです。
気温上昇とともに、日本の熱中症死亡者数は急増しています(表)。2000年頃までは年間約200人でしたが、近年は約1500人にまで増えています。英国の医学雑誌『ランセット』に、樹冠被覆率を30%まで増やせば暑さに起因する死者数を約40%減らせるとする論文(23年)が発表されました。
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