NATO首脳会議を目前に大軍拡に抗議する市民たち=2025年6月22日、オランダ・ハーグ(吉本博美記者撮影)
深く知る 明日への勇気
高市早苗政権が年内にも「安保3文書」を改定し、さらなる大軍拡を進めようとする中、自民党と維新の会は3文書改定への「提言」を政府に提出しました(6月24日)。与党の提言は、軍事費を急増させている北大西洋条約機構(NATO)などを例に挙げ、日本の軍事費増額と予算確保を要求。大軍拡が国民生活に何をもたらすのか、NATO諸国の実態にも目を向け、シリーズ「深く知る 明日への勇気」(深知る)で考えます。
「ばく大な軍事費用のしわ寄せはあちこちにきていて、教育や研究分野で大幅に予算が削減された」(ドイツ在住の熊崎みかさん)、「補助金の大幅カットで福祉団体の運営が行き詰まり、学校教育の予算は減る一方」(フランス在住の降旗あつ子さん)
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、世界の2025年の軍事費が前年比実質2・9%増のなか、NATO加盟の欧州諸国は同16%増。NATO諸国は22年のロシアによるウクライナ侵略を機に、軍事費を急増する一方で、医療・福祉、教育などの歳出を削減し、国民の反発が強まっています。
ビジネス情報サイトのダイヤモンド・オンライン(6月12日配信)は「防衛費の増額が財政運営や国民生活を圧迫し、欧州社会を揺さぶり始めている」「日本にとって決して他人事ではない」と警鐘を鳴らしています。
トランプ米政権の要求にもとづき日本が、軍事費・関連経費をGDP(国内総生産)比5%へ増額した場合、医療や介護、少子化対策、教育の予算を軍事費に回しても、まだ足りない計算になります。(グラフ)
日本でも「抑止力強化」の名目でやられている大軍拡と暮らしが両立できないことは明らかです。
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