この間、長期金利(新規発行される償還期限10年の国債の金利)が急上昇し、一時は30年ぶりの高水準(2・9%、7月9日)に達しました。背景には、高市早苗政権のスローガンである「責任ある積極財政」に対し、市場(投資家)さえも警戒感を示していることがあります。
財政悪化の懸念から国債の売却が広がり、国債価格下落・金利上昇が生じています。さらに外国為替市場で円が売られ、円安が物価高に拍車をかけています。
財政悪化をもたらす最大のリスクは軍拡です。
米国のトランプ政権は日本などの「同盟国」に、軍事費を国内総生産(GDP)比で3・5%=24兆円に増やすよう求めています。トランプ大統領をおもんばかって、軍事費のGDP比2%=11兆円達成を、赤字国債で財源を捻出してでも前倒しした高市首相ですから、さらなる増額の要求に応じかねません。
大軍拡のために国債が大量に発行される恐れがあります。戦後成立した財政法第4条は、国債発行を原則禁止しています。膨大な戦時国債の発行により無謀な侵略戦争が可能になったことへの反省に基づくものです。その起案者である平井平治氏(当時の大蔵省主計局法規課長)は「公債のないところに戦争はない」と断言しました。歴史の教訓を踏まえ、憲法9条と、他国と比べても厳しい財政民主主義の仕組み、財政法4条が設けられたのです。
一覧へ戻る