縁起物の「左馬」の駒を掲げる藤井聡太六冠
撮影・峯松進
うま年生まれの将棋の藤井聡太六冠。年男の今年、棋士デビュー10年を迎えます。節目の年をどのような気持ちで迎えるのか、話を聞きました。
北村隆志記者
―この10年を振り返って、印象深い出来事を三つあげてください。
印象に残ることはいろいろあるんですが、あげるとすると、一つは加藤一二三・九段とのデビュー戦です。デビュー戦という特別な一局で、加藤九段の将棋に対する考え方、信念というものを、盤を挟んで直接感じることができたのは大きな機会でした。
二つ目は2020年の初タイトルです。タイトル獲得は一つの大きな目標でしたが、なかなかそれに近づけない状況が続きました。棋聖戦でその機会を得て、実力以上のものが出せたのは、大きかったと感じます。
三つ目は、23年の八冠獲得と、24年の失冠です。同じくらい印象に残る出来事でした。
(八冠が決まった)王座戦第4局では、最終盤に敗勢だったんですが(相手のミスで)一気に急転し、自分としてどう受け止めればいいのか難しいところもありました。
(失冠した)叡王戦では、同じ世代の伊藤匠二冠(現)の強さを存分に感じました。シリーズを通して自分自身のさまざまな課題をつきつけられたと受け止めています。
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