大震災後に整備された渡波地区の高台にまっすぐに伸びる「避難道路」の歩道に立つ阿部会長=3月12日、宮城・石巻市
2万2千人以上が犠牲となった東日本大震災から15年。被災地では大津波から命を守るための備えを進めてきました。しかし、2020年から国は日本海溝や千島海溝を震源とした巨大地震や津波の新たな浸水・被害想定を順次発表。さらなる課題が噴出しています。
宮城 石巻
車の渋滞 解消が課題
住民・行政一体で避難計画を
宮城県石巻市は、東日本大震災で死者・行方不明者が全国の市町村で最も多い約4千人にのぼりました。甚大な被害が出た南浜・門脇地区や渡波(わたのは)地区では、大震災後に海岸線に沿って最大で高さ7・2メートルの堤防が整備されました。避難するため内陸部に向かう幹線道路も完成。沿岸部を通る国道398号を車で走ると、電柱に「避難道路」の看板があります。地域の公園など至る所に避難場所を示す表示も見つかります。
堤防や道路など施設面での対策が整う中で現在、行われているのが地区ごとの避難計画の作成です。作成にあたる石巻市渡波地区区長行政衛生連合会の阿部和夫会長は語ります。「安全な避難体制はまだ確立できていない。地域は海岸から高台まで2キロが平たんな地形で、緊急避難できる高層ビルも少ない。避難所の収容人数も地域住民約1万3千人に対して足りない」
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