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日曜版  |  記事

沖縄変奏曲(2)
琉球の鐘 2
作 柳広司 題字・絵 オザワミカ

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その二
 報告者たちを下がらせたあと、ペリー提督は難しい顔で眉を寄せ、太い腕を胸の前で組み合わせた。
 机の上に、二種類の異なる報告書が並べて置かれている。
 一つは、琉球府から提出された事件の報告書。グラソン艦長が翻訳させたものだ。
 もう一つは、ベッテルハイム牧師が独自に作成した報告書である。
 内容は、グラソン艦長とベッテルハイム牧師がそれぞれ口頭で説明していったので、だいたい頭に入っている。
 琉球府の報告書では、事件は以下のように記されている。

「六月十二日夕刻。アメリカ人水兵三名が酩酊(めいてい)した状態で那覇の町を徘徊(はいかい)した。那覇の町の者たちが怖がって門を閉ざす中、かれらは放歌高吟(ほうかこうぎん)、大声をあげながら方々歩きまわり、やがて内二名が正気を失った態(てい)で、路上に倒れて寝てしまった。残る一名はさらに酩酊した状態で走り出し、誤って那覇泊河口近くの橋の上から転落した。地方(じかた)の舟乗りたちが水中から引き上げたとき、かれはすでに絶命していた。」

 同じ事件を、ベッテルハイム牧師は別の視点からやや詳しく報告している。

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