米トランプ大統領が、全輸入品への一律10%の基本関税と「相互関税」を打ち出した2025年4月2日を「解放の日」と宣言してから1年。宣言は、一方的に貿易ルールを改変させ米国第一主義が支配する国際秩序の象徴となりました。
トランプ氏は相互関税で巨額の貿易赤字を解消し、製造業の雇用を国内に取り戻すといいました。関税を「交渉の武器」として振りかざし、不法移民対策や薬物密輸阻止といった要求をのませる強権的な「ディールの手段」としたのです。
しかし、現実は大統領の期待通りには進んでいません。25年の米国のモノの貿易赤字は1・24兆ドルと過去最高を更新し、輸入抑制の思惑は外れました。さらに、高関税は輸入コストを押し上げ、インフレ再燃で自国民の家計を直撃しています。25年の消費者物価指数(CPI)は一時3・0%まで上昇しました。部品や原材料を輸入に依存する製造業ではコスト増が収益を圧迫し、工場閉鎖やレイオフ(一時解雇)が相次いでいます。報復関税による農業などの輸出産業の市場喪失も深刻です。
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