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日曜版  |  記事

“取り残された”地方の町描く ケン・ローチ監督新作 映画「オールド・オーク」
白人労働者階級と移民の共生は可能か
共に集い、共に食べ、互い知る

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24日から東京・ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。イギリス、フランス、ベルギー。113分

ブレイディみかこ
 ケン・ローチの引退のうわさが流れたのは、約10年前だった。それは保守党政権が厳しい緊縮財政政策を行い、英国の地方の街に貧困が広がっていた時期だった。労働党には党内左派から「マルクス主義者」と呼ばれたコービン党首が誕生し、未来への希望を失った若者たちの間で労働党入党ブームが起きた頃だ。
 コービンと旧友のローチも、まだ自分にはやることがあると決めたのだろう。以降、現代社会や政治をストレートに告発する3部作を発表した。
 緊縮財政が人間に及ぼす影響をえぐり出した「わたしは、ダニエル・ブレイク」、ギグエコノミーという現代の農奴制を描いた「家族を想うとき」。本作「オールド・オーク」はその3作目だ。
 今回、彼が取り上げたのは、英国がEU(欧州連合)を離脱して以降、都市部のリベラルたちが悲しみと嫌悪感をもって目を背けてきた現象だ。地方の「取り残された」白人労働者階級層と難民の軋轢(あつれき)である。SNSであおられる排外的風潮の中で揺れる地方社会を舞台に据え、「共生は可能か」という問題を真正面から扱った作品だ。

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