絆HD傘下の事業所から郵送された解雇予告通知書を手にするAさん(画像は一部加工)
「会社に利用されていたのではないか。裏切られた思いでもう怒りしかありません」。大阪市の福祉事業会社「絆ホールディングス(HD)」傘下の4事業所の一つで、働いていたAさんの怒りの声です。市の監査で4事業所は障害者の就労支援の加算金約150億円を不正に受給したことが判明。同市は5月1日付で事業者指定を取り消す方針を公表(3月27日)し、絆HDは4月末に事業所を閉鎖すると発表しました。大阪市によれば3月末時点の利用者は1340人で、千人超の障害者が職を失う恐れがでています。Aさんもその一人です。
田中智己記者
50代男性のAさん。絆HDグループの四つの「就労継続支援A型事業所」の一つで、書類作成などの仕事をしてきました。A型事業所では、障害などで一般就労が難しい利用者が、支援を受けながら働き、一般就労をめざしています。
2012年設立の絆HD。15年から就労支援事業を開始しました。同社グループの4事業所が行っていた不正は「就労移行支援体制加算」の過大受給でした。同加算は、利用者が民間企業などに一般就労し、半年以上雇用された実績などに応じて受け取ることができます。
不正の手口は、同社が「36カ月プロジェクト」と呼ぶもの。グループ事業所を利用する障害者を運営側スタッフとして雇うことで就労実績をつくる。半年後に利用者へ戻した後、再びグループ内で雇用することで就労実績をつくる。これを繰り返し、給付金の水増しをしたのです。
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