絵・冨樫智子
先ごろ、ある雑誌記事で「調理定年」なる言葉に出合った。調理は脳活になると思っていた私には、「定年」の言葉が驚きだった。
記事によると、調理定年を考えるのは“家庭では料理は女性の仕事”というのが当たり前の社会で育ち、調理を担ってきた女性たち。彼女たちは、人生で2回、この調理定年を模索するという。
1回目は50代頃。仕事と家事を両立してきた人も多く、そこにさらに親の介護、更年期不調、子どもの巣立ちなどが加わり、調理を手放したくなるそうだ。
2回目は80代頃。体力や気力の衰え、連れ合いに先立たれるなどの変化から、調理を定年するという。
ちょうど私は、2回目の定年を考える時に当たっている。が、50代の1回目でも、現在の80代でも、定年など一度も考えたことも想像したこともなかった。
一覧へ戻る