パレスチナ・ガザ地区で生きる2人の女性の日記をまとめた『この地には生きるに値するものがある』。プロデュースに携わったのはジャーナリスト・映画監督の古居みずえさんです。イスラエル軍の侵攻で壊滅的な被害を受けているガザで生きる女性たちへの古居さんの思いと平和憲法にはせる願いを聞きました。
田中智己記者
現地の女性2人の日記 パン焼き「静かな抵抗」
日記を書いたサバラ・ムイーンさんとサマル・アハマドさんは、私が以前に取材で知り合った2人です。イスラエル軍は2023年10月のガザ侵攻後、ジャーナリストがガザへ入域することを許可していません。7万人以上のパレスチナ人が犠牲となり、人口約200万人の9割近くが家を失いました。何とかガザの人の声を伝えられないかと考え、2人に日記をお願いしました。
メディアは爆撃の被害状況などをニュースにします。一方、彼女たちの日記に書かれているのは、そこに住む人びとの日常です。ミサイルの音で目が覚めたこと、洪水で知人のテントが流されてしまった日の恐怖や悲しみをつづっています。
大学生のサバラさんは、パンを焼くことは「静かな抵抗」だと日記に書きました。封鎖で物資が不足しているガザで小麦粉は貴重です。パスタを水に浸して柔らかくし、豆などもすりつぶして一緒にこねてパンにします。そこまでしてパンを焼くのは、それが彼女にとって生を全うし尊厳を守るたたかいだからです。
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