岩波書店・1012円
「戦後民主主義」という言葉からあなたは何をイメージするだろう。
本書『彼女たちの「戦後」』は戦後のメディアを彩った12人の女性にスポットを当てた人物論である。取り上げられているのは国民的スターというべき黒柳徹子や吉永小百合、人気作家の山崎豊子や田辺聖子、写真家の吉田ルイ子、料理愛好家を名乗る平野レミなど、ジャンルは多様。
一見脈絡のない人選に見えるが、著者の意図は明快である。彼女たちの共通点は〈男性優位のジェンダー規範が強固な場所〉で〈庶民レベルの女性たち〉の声を媒介したこと。別言すれば、戦後という時代に政治でも制度でもなく「文化としての民主主義」の体現者だったことである。
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