ニューヨーク市内で開かれた選挙集会で演説するマムダニ市長=6月18日(洞口昇幸記者撮影)
世界を驚かせた米最大都市ニューヨークでの「米民主的社会主義者」(DSA)会員ゾーラン・マムダニ市長(34)の誕生。その背景と市政半年の実績について、話題作『社会主義都市ニューヨークの誕生』の著者、矢作弘さんに聞きました。
坂口明記者
今年1月にマムダニ市政が発足した大きな背景としてニューヨーク市の「ジェントリフィケーション」(疲弊した街の中流社会化)の問題があります。1960年代以降、ロンドン東部の貧困地区に中間層が入り込み、家賃高騰で労働者階級が追い出されました。こういう現象を示す都市学の用語です。
ニューヨークは製造業都市でしたが、脱工業化による人口減少で70年代半ばに、ほぼ財政破綻しました。そこに2000年代に入りグーグルなどのIT系企業が進出しました。グーグルはコロナ感染終了時には1万人以上が働いていました。それに伴い弁護士、会計士、デザイナーなどの専門職集団も進出します。
これらの人々がマンハッタンだけでなくブルックリンやクイーンズでも暮らし始めます。古びたアパートが改修されて家賃が上がり、住んでいた白人貧困層やアジア・中南米系移民らが追い出され、超ジェントリフィケーションが起きました。
彼らの逃げ場となったのが移民・住宅問題や温暖化防止に取り組む草の根の運動体でした。これらの組織は弁護士を抱え、支援活動ができます。それが連帯して都市社会運動体となり、そこを地盤にDSAが「ジェントリフィケーションとたたかう闘士」として台頭しました。
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