映写室に上映のため作品ごとに並べられたフィルム(手前)と、映写機(奥)。映写機はデジタル対応の機器と、フィルム対応の機器が複数台並びます。本館では保存したフィルムの上映も行っています。「フィルムで作られたものはフィルムで上映するということを原則にしています」と担当者
日本で唯一の国立映画専門機関「国立映画アーカイブ」が、存続の危機にあります。同館は6月25日、運営資金を募るクラウドファンディングを開始(9月23日まで)。1億円の目標の8割まできました。そもそもなぜクラウドファンディングなのか。
板倉三枝、北野ひろみ記者
交付金6億円が半減
「大きな手応えを感じています」。とちぎあきら館長が柔和な表情で語ります。「一番の目的である国立映画アーカイブの活動、存在意義を多くの人に知っていただく初めての機会となりました」
77人の映画人から応援メッセージを、3000人以上の市民から寄付と共に、熱い応援コメントが寄せられました。
「国立映画アーカイブでの映画体験が、人生にとってかけがえのないものであったという声、なぜ国立機関がクラウドファンディングをしなければならないのか、という文化行政への疑義、日本の芸術・文化をどう育てるか、という大きな文脈での意見もありました」
背景は文部科学省・文化庁が、財務省からの指摘を受け、今年2月、国立美術館・博物館の「国費依存度をできるだけ少なくする」という中期目標を打ち出したことでした。国立美術館傘下の国立映画アーカイブに配分された今年度の運営費交付金(国費)は、2025年度の6億3665万円から3億5857万円に削減。一方、自己収入目標額は従来の5442万円から2億4874万円にはねあがりました。
「どうやって収入をあげていくか、さまざまな方策を考えました。予算を切り詰め、オリジナルグッズを販売し、寄付金も想定に入れました。それでも足りないのが1億円でした」
一覧へ戻る