リニア着工を「容認」した鈴木知事に対して「調査なしでのリニアはストップ」と怒りの声を上げる人たち=7月7日、静岡県庁前
リニア中央新幹線をめぐって、静岡県の鈴木康友知事が静岡工区の着工「容認」を表明し、7月18日にはJR東海と環境保全協定を結びました。しかし、県知事が容認して法令上の手続きが済んだとしても、リニア工事を巡る多くの問題は解決されておらず、南アルプスの豊かな水と自然を守れるかどうかも不透明なままです。
東海・北陸信越総局 前田智也記者
リニア工事“最大の難所”といわれていた静岡工区の着工を巡っては、静岡県とJR東海の間で9年にわたって議論されてきました。県は、前知事の川勝(かわかつ)平太氏の時代に「大井川の水を守る」ことを最優先にして「工事で失われるトンネル湧水の全量戻し」「生態系の保全」「残土処分」の三つについてJR東海との協議を開始。2019年から県側が用意した項目について対話が進んでいました。
24年4月に川勝氏が辞職し、同年5月に新しく知事に就任した鈴木氏は、リニア建設について「スピード感を重視する」と表明。それまで長い時間をかけていたJR東海との対話も急ピッチで進み、県の専門部会からやるべきだと指摘されていた静岡県側の調査も行われていないままに部会を解散。JR東海が行った住民説明会などをもって「住民の理解が進んだ」として着工を容認しました。
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