国際刑事裁判所(ICC)の「解体」を主張するトランプ米政権が、同裁判所の赤根智子所長ら2人を制裁対象に加えてから約1カ月。トランプ政権の無法な制裁の撤回を求め、ICCを支援する動きが広がっています。国際法・国際人権法が専門の阿部浩己・明治学院大学副学長に聞きました。
本吉真希記者
ICCは1998年、160カ国が参加した国際会議で設立根拠となる「ローマ規程」が採択され、2002年に発足しました(現在125カ国が加盟)。源流は第2次世界大戦期の戦争犯罪を裁いたニュルンベルク裁判と極東国際軍事裁判です。
阿部さんは「重大な犯罪を行った個人を裁くことによって、国際社会の法秩序を守る体制ができる。その期待から戦後がスタートした」と語ります。
「東西冷戦が終わり、常設の国際刑事裁判所を実現する機運が高まる中、ユーゴスラビアとルワンダで民族紛争が起きた」と阿部さん。そこで起きた大量虐殺や性暴力を裁くため、国連安全保障理事会は二つの特別法廷を設置しました。
「90年代は人権の主流化やジェンダーの主流化が広がり、国際法は国ではなく人間を守るための法になっていくべきだという流れが定着していきました。その流れの中でできたのがICCです。支えたのは市民社会の力、特に女性の権利を掲げる運動の力が大きかった」
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