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日曜版  |  記事

しほ先生のここから保健室(12)
できない自分に涙

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イラスト・黒須高嶺

 学年一、赤点が多い1年生のリクは「早くお父ちゃんになりたい」と言います。
 漢字が読めないので教科書読みが大嫌い。指名されることがわかっている授業は早々に抜け出し、優雅に廊下を散歩しています。今日も散歩中、保健室に来ました。人体図鑑を開いて女性の身体構造を真剣に眺め、排卵の仕組みを初めて知って「女の体ってすげ~な!」と感激。「そう思った君は立派なお父ちゃんになれるよ」と私は言いました。
 リクは男ばかり4人兄弟の末っ子。家は漁業を営んでいて、兄たちは全員が中学を卒業してすぐに父の船に乗っています。自分も兄の後を追って船に乗るのを楽しみにしていましたが、母の強い勧めがあって渋々、高校に入学してきました。
 授業にほとんど出ず、指導されると反抗。時にイライラをクラスメートたちにぶつけ、ことあるごとに「来たくて来たんじゃねぇ」と決まり文句を吐き捨てていたリク。周囲から「いつ辞めてもおかしくない」と思われていましたが、多くの教科で赤点を取りながらも退学することなく2年生になりました。

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