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日曜版  |  記事

池辺晋一郎 名曲散歩(7)
民謡の「刈干切唄」
風土や歴史から自然発生

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絵・井桁裕子

民謡が好きだ。どこの民謡だろうが。作ることを仕事にしている僕が言っても説得力に欠けるが、作られたものではなく、人の心から自然に湧き上がってくる唄(うた)に、惹(ひ)かれる。
 子ども時代、僕は茨城県水戸市で育ったが、ここは「磯節」の里だ。「磯で名所は大洗さまよ 松が見えます ほのぼのと」と歌われる。歌うにはややむずかしい唄だが、「ハァ、サイショネ」という合いの手も面白く、いい民謡である。
 ところで僕は、民族音楽や民族楽器が大好きで、楽器に関してはコレクターを自認している。インドのシタールやトリニダード・トバゴのスティールドラム、フィリピンのアンクルン、ブラジルのビリンバウ、世界各地のジューズハープ(口琴〈こうきん〉)などが、家の中に山積みされている。
 作曲家としてヨーロッパの理論を学び、そこに寄り添ってきたが、同時に非ヨーロッパの音楽も愛してきた。当然の帰結として、「東洋民謡集」という合唱曲集を5巻上梓(じょうし)している(音楽之友社刊)。

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