「市民はアラブ系政党との連立を選んだ」と書いた横断幕やプラカードを掲げてデモする人々=10月31日、テルアビブ(オレン・ジブ氏提供)
中東情勢に大きな影響を及ぼすイスラエル総選挙(10月27日)は、与党陣営が議席を減らしたもののユダヤ系野党は過半数に及ばず、左翼・アラブ系諸党が議席をほぼ倍増させました。その背景は―。
カイロで米沢博史記者
イスラエル総選挙(定数120、全国1区の比例代表制)で与党陣営(親ネタニヤフ陣営)は53議席にとどまり、過半数の61議席に届きませんでした。ネタニヤフ首相が率いるリクードは、イランやアラブ系住民の“脅威”をあおり、27議席で第1党にとどまりましたが、反ネタニヤフ勢力は計67議席を獲得。アイゼンコット元参謀総長が率いる新党ヤシャルなどユダヤ系野党は48議席を獲得しました。
イスラエル共産党を中軸とする左翼連合ハダシュとアラブ系2党の共闘「統一リスト」が5議席から11議席(うちハダシュ5議席)へ、南部イスラム運動系のラアムが5議席から8議席に躍進しました。両勢力の計19議席は前回の10議席から、ほぼ倍増。アラブ系諸党の得票率も前回比で5割台から8割近く増え、議席数も得票率も過去最多でした。ユダヤ系左派の民主党も4議席から8議席に増えました。投票率は78%で、1999年以降で最高でした。
イスラエル共産党は、ユダヤ系とアラブ系の共闘を進める運動が「選挙最大の番狂わせ」を起こしたと評価。テルアビブやハイファなど複数の都市で多くのユダヤ系市民が統一リストに投票したと分析し、現状変革を目指すアラブ系・ユダヤ系左翼勢力の共同の前進への重要な一歩だと位置付けています。
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