権力者の野望 ロシアや米国と重なる
作家の中島京子さんが長編『水は動かず芹の中』を出しました。豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)を奇想天外な視点で描いた作品です。強権に翻弄(ほんろう)される今日を予見したような物語が生まれた背景とは―。
金子徹記者
ある日、スランプの作家が活路を求め九州に旅立ちます。ひょんなことから佐賀県唐津市の陶芸家と出会い、長大な言い伝えを聞くことに。奇妙な伝承の軸となるのは秀吉の時代を生きた水神(カッパ)でした。
「もちろん全体的にはフィクションです。私がカッパに会ったわけではないし(笑い)」
争乱を逃れ、ひっそり暮らすカッパたち。穏やかでユーモラスな存在です。ところが天下を統一した秀吉の矛先は大陸へ。朝鮮半島を経て明(中国)の征服を企てます。カッパたちは、非力ながらも戦をやめさせようと奔走し…。
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