自民党が単独で衆院の3分の2超を得た今回の解散・総選挙の結果をどう見るのか。政治学者の五十嵐仁さん(法政大学名誉教授)に聞きました。
田中倫夫記者
時間与えずに狡猾な奇襲攻撃
自民党の獲得議席は316という「歴史的圧勝」でした。しかしこの結果は、恣意(しい)的な個利個略の解散と小選挙区制のカラクリによるもので、「虚構の多数」です。
解散自体が、高市早苗首相による狡猾(こうかつ)で謀略的なものです。選挙がないと見せかけておいて1月9日深夜、「読売」が国会冒頭での解散を検討と報じました。選挙を仕切る自民党の鈴木俊一幹事長ですら「聞いていない」と怒ったそうです。
解散から投票まで戦後最短の16日間で、まさに奇襲攻撃でした。有権者に各党の政策を検討する時間を与えず、野党の選挙準備も追いつかないことを狙ったのです。
通常国会が開かれて審議が始まれば、自らの「政治とカネ」の疑惑、反社会的な統一協会との癒着などが徹底的に追及されます。物価高にも無策、景気回復もままならないなか、ボロがでないうちに、支持率が高いうちに選挙をやって、衆院で少数与党という国会の力関係を変えたかったのです。
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