撮影・細野晴規記者
是枝裕和監督が、人間と生成AIの共生を描いた新作映画「箱の中の羊」を撮りました。先程、開催された第79回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門で公式上映され、注目を集めました。監督に話を聞きました。
板倉三枝記者
是枝さんの作品は、簡単に答えを見つけさせない。寓話(ぐうわ)的で、さまざまな思索を促します。「良かったです。いろいろと考えていただくのが一番だと思います」
舞台は近未来。7歳の子どもを亡くした夫婦が死んだ子どもとそっくりなヒューマノイド(人型ロボット)を迎え入れます。妻の音々(おとね=綾瀬はるか)が息子と同じ姿をした〈彼〉にのめりこむ一方で、夫の健介(大悟)は戸惑いを隠せません。しかし音々は、在りし日の息子と〈彼〉の違いに違和感を覚え始めます。そこから生じる不協和音。夫婦は息子の死をめぐり、心の奥底に秘めてきた思いと向き合うことになります。
進む“ビジネス化”
これまでの作品でも、大切な人の死からどう立ち直るかというプロセスを繰り返し描いてきた是枝さん。本作では、亡くなった子どもがヒューマノイドとして夫婦のもとに戻ってくることで、〈彼〉と一緒に未来をつくる、というSFの設定にしました。
「元々人間と人間じゃないものの交流に関心があった」といいます。2009年の映画「空気人形」では、人形が心を持ってしまったことから起きる悲劇を描きました。
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