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日曜版  |  記事

沖縄変奏曲(9)
琉球の鐘 9
作 柳広司 題字・絵 オザワミカ

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「これは妙なことをおっしゃる」
 役人は小首をかしげるようにして呟(つぶや)いた。それから、改めて私たちに顔を向け、きっぱりとした口調で続けた。
「事件の報告書はできるだけ早く作成しましょう。そのために、こうして厳しい取り調べを行っているのです。しかし、犯人を引き渡すか否かは別の話です。罪科はこちらの法で定めるので、アメリカ人がかまうところではありません」
 私は思わず、ウィリアムズ、ベント両少尉と顔を見合わせた。
 --事件の裁判権は渡さない。
 琉球の役人はそう宣言しているのだ。
 身を乗り出しかけたウィリアムズ少尉を、若いベント少尉が押しとどめた。無言で首をふってみせる。
「ペリー提督に、その旨(むね)伝えます」
 私はそう言い残して、席を立った。

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