猛暑、大雨、山火事、干ばつ―。人間の活動によって引き起こされる地球温暖化は、自然災害の激甚化や生態系のバランスを壊しています。国や企業の温暖化対策の強化を求める「若者気候訴訟」の原告の一人である学生の山本大貴(だいき)さん(神奈川在住)は、各地の訴訟を記録したドキュメンタリー映画「大海のひとしずく」を制作しています。その思いとは―。
目黒健太記者
成果あげる気候訴訟
「若者気候訴訟」は2024年8月、10~20代の若者が大手電力など10社を相手取り、名古屋地方裁判所に提訴しました。
山本さんは「海外で気候訴訟が広がり、基本的人権を保障する一定の成果をあげている」と話します。市民側が勝訴した例として「化石燃料を優遇する州法は環境権を侵害」(米国・モンタナ州、23年)、「不十分な温室効果ガス削減目標は、基本的人権を侵害しており『違憲』」(韓国、24年)などがあります。
一方で日本では、神奈川・横須賀市、宮城・仙台市、兵庫・神戸市の石炭火力発電などの計画・建設の差し止め訴訟は、全て棄却・却下されています。
それでも山本さんは「訴訟を通して世論を動かしている」と強調します。「裁判所は、気候変動が『人々にさまざまな被害をもたらしていることが深刻かつ重大な事態であることは言を侯(ま)たない』(言うまでもない)という一文を横須賀石炭訴訟の控訴審判決文に盛り込んだ。この小さな前進を0・3歩でも、0・5歩でも進めたい」
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