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日曜版  |  記事

沖縄変奏曲(18)
南十字星奇譚 6
作 柳広司 題字・絵 オザワミカ

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重い貨物を運ぶには、大きな音が出る動力車輌を使うしかない。
 逆に、軽い荷物なら荷馬車や人力で十分だ。わざわざ鉄道レールを使う必要はない。
 いったい誰が、なんの目的で、深夜、軽便鉄道のレールを勝手に使っているのか?貨物を運びたいだけなら正規の手続きを踏めばよい。まさか、わずかな運賃をけちっているわけではあるまい。それにしては手が込み過ぎている……。
 疑問は次々にわいてくるが、答えの方はさっぱりだ。
 おれは首をかしげ、改めて天井を振り仰いだ。ふと、今朝の点検中にレール脇で見慣れぬものを拾ったことを思い出し、シャツの胸ポケットから取り出した。
 一見、乾燥させたシュロの葉を細く裂いて編んだ飾り紐(ひも)だ。ギリシア語の“α(アルファ)”の片方の線を引き伸ばしたような形をしている。大きさは十五センチほど。子供が遊び半分で作ったものではなく、慣れた者の手で編まれたもののようだ。なぜ、こんなものがレールのすぐ脇に落ちていたのか?
 飾り紐(?)の一端を指でつまみ、顔の前でくるくると回していると、上原君が机の前を通りかかった。
 おれは上原君を呼び止め、これが何だか分かるかい、と尋ねた。おれが差し出したものをちらりと見て、上原君はすぐに何でもないように答えた。
「それはサングヮーさぁ。沖縄の魔よけさぁ」
「魔よけ?」
 予期せぬ答えに、おれは思わずおうむ返しに聞き返した。

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