浜矩子さん
高市「積極財政」の正体
1面のつづき
「責任ある積極財政」による財政悪化の大きな要因の一つは、軍事費です。26年度予算では約9兆円で、4年前の1・7倍です。トランプ米政権は、現在の倍以上となるGDP(国内総生産)比3・5%=約24兆円への増額を要求していますが、これには、「抑止力は必要だ」というメディアも「日本の財政事情は極めて厳しく、とても持続可能性があるとは思えない」(「朝日」社説、6月)と批判。しかし高市政権は米側の要求を拒もうとしていません。
もう一つは、大企業へのバラマキです。
「強い経済」を掲げる高市政権は、人工知能(AI)・半導体など「戦略分野」に官民で370兆円超を投じる計画です。戦略分野に「防衛産業」を位置付け、軍事で経済成長をめざす「軍事経済化」への道も大きく打ち出しました。
「政府の政策が自ら円安リスクを高める」。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストはコラム(7月)でこう指摘しました。「財源の具体的な説明がなされない」「財政悪化懸念が高まり、円安と債券安(金利上昇)が同時に進んでいる」とのべ、「採算が合わない分野に政府と民間が投資資金をつぎ込み、失敗するリスクを高めることにならないだろうか。財政環境を悪化させてしまう恐れも高まる」と警告しました。
370兆円投資のうち最も大きいのがAI・半導体で100兆円を超えます。しかし、この分野には政府はこれまでも巨額の税金を投じてきました。
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