撮影・石塚康之
作家のあさのあつこさんが時代小説『飛燕(ひえん)』を出しました。創作と時代への思いを聞きました。
金子徹記者
新作は、士族の三姉妹の物語です。長女の徳子は夫の藤十郎と平穏な日々を送っていました。ところがある時、夫が遊女と相対死(あいたいじに=心中)し…。
現代につながる
「まず、三姉妹の話を書きたいという思いがありました。これまでも、おとなの話を書きたい時には時代小説にすることがありました。おとなとして責任をもち、自分と向き合う姿を描くには時代小説が合う気がします。もちろん現代とは言葉が違うし調べることも多い。でも、時代小説だからこそ書けることもあるんです。嫁いで子を産むことが義務だった時代を、女性たちはどう生きたか。女性であるがゆえの息苦しさや喜びが、現代につながる物語として、くっきりと描ける。そこが時代小説の醍醐味(だいごみ)です」
夫の死から数年、徳子は豪商に嫁いだ妹・あぐりから思いがけない話を聞きます。藤十郎の死は暗殺だったのでは、と。やがて三姉妹は事件の裏の、藩を揺るがす真実に迫ります。
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