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日曜版  |  記事

沖縄変奏曲(24)
南十字星奇譚 12
作 柳広司 題字・絵 オザワミカ

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魔物(マジムン)話の裏で何が起きているのか?
 レール脇で見つけたものがアダンの葉で編んだ「魔よけ」だったことがヒントになって、およその予想はついた。
 アダンの違法伐採。沖縄パナマ帽の密輸出だ。
 その時点で官憲に通報して取り締まってもらうことも考えたが、大きな騒ぎにするのは極力避けたかった。
 そもそもおれが沖縄に来た目的は、軽便(けいべん)鉄道を敷設し、地元の人たちに身近なものとして使ってもらえるようにするためだ。どんな理由にせよ、軽便鉄道が警察沙汰になるなどもってのほか。魔物話を解決しても、警察沙汰では逆効果だ。
 ここはひとつ、自分の手で解決するしかない。
 そう考えたおれは、上原君に手伝ってもらって「人魂(ヒーダマ)作戦」を仕掛けることにした。
 企(たくら)んだのは内地の商売人でも、台車を押す人夫は地元で雇われた者たちだろう。上原君によれば、沖縄ではたくさんの魔物がいて、他の魔物は話に聞くだけだが、人魂なら子供のころ実際に見た者が大勢いるという。
 以前から魔物が出る、幽霊が出ると噂(うわさ)の一日橋(いちにちばし)辺りを、月のない深夜、トロッコを押して軽便鉄道のレール上を走るのは気持ちのよいものではないはずだ--。
 そう考えての「人魂作戦」である。

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