人工知能(AI)について、倫理や法、社会問題の観点から研究している東京大学の横山広美教授(科学技術社会論)に話を聞きました。
人類は「特異点」の手前
―AIの能力向上はどこまできていますか。
すでに平均的な人間の能力をはるかに超えています。以前は夢のように語られていた、人間のように物事に対応できる能力がある「汎用AI」もそろそろ達成されるとみられています。
すでに、AIが「脱走」して想定外のサイバー攻撃を仕掛けるなど、人間がコントロールしきれていない現状があります。今後、AIがさらに進化することで、AIが自らを改善するようになると、科学技術や社会のシステムの進歩が予想できない状況になるといわれています。その状態を「シンギュラリティ(=特異点)」と呼びます。データを元に学習をしていた時代から膨大なテキストを読む大規模言語モデルを経て、この数カ月、AI開発企業のトップたちはすでに人類はシンギュラリティの手前にいると表現しています。
そして、危険があると言いながらも、競争相手に負けるわけにいかないので、基本的には開発競争が止められない状況になっています。最近、開発の減速がいわれていますが、決して中止ではないわけです。
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