急速に拡大するAI(人工知能)の軍事利用。それを規制する国際交渉の現状は-。
坂口明記者
AIを本格的に使って大量の犠牲者を出したのは、2023年10月以降のイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ侵攻です。▽攻撃の標的を選ぶ「ハブソラ」(福音)▽ハマス戦闘員などの標的リストをつくる「ラベンダー」▽ラベンダーがリストにあげた個人を自動追跡し、ハブソラに登録された自宅に帰った時に爆撃できるよう通知する「父さんはどこ?」-といったAIシステムが使われました。
これらは「AIを用いた意思決定支援システム」(AI-DSS)と呼ばれます。軍による攻撃を準備する情報処理段階でAIが使われ、3万7千人が標的にされました。これまで複数の人間が数週間かけた作業が数秒で行われ、軍の情報処理が格段に高速化し、大量攻撃が可能となりました。
しかし現実には正規軍でないハマス戦闘員らの動向をAIが常に正確に掌握することはできません。イスラエルは民間人の巻き添えを「NAZA(ナザ)」(「付随的損害」を意味するヘブライ語の略語)と呼んで最初から容認。3年間で7万4200人以上もの市民らが殺害されました。
これらのシステムには米国のグーグル、アマゾン、マイクロソフトなどの情報処理サービスが活用されています。
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