谷街道沿いに並ぶ蔵造の家屋。一帯は国の重要伝統的建造物群保存地区
長野県北部の須坂(すざか)市は蔵の町として知られています。町を歩くと、白壁や瓦屋根、太い柱の門構えの風景に出合えます。
江戸時代、近辺は須坂藩・堀家一万石の商家町でした。中心地を谷街道と大笹街道が通る、交通の要衝でもありました。
明治以後、須坂では製糸が盛んになります。周辺に養蚕を営む農村があり、街道沿いで交通の便もよかったからでしょう。さらに「裏川用水」と呼ばれる水路に設けられていた生活用水車が、器械製糸の動力に転用されました。谷街道沿いにある「ふれあい館まゆぐら」では、養蚕と製糸の歴史を紹介しています。
そんな須坂では何人もの「製糸長者」が生まれました。須坂最大の製糸業者・山丸組は、最盛期には従業員7000人を擁したといいます。創業者で、「製糸王」と呼ばれた越(こし)寿三郎が購入・増築した旧越家住宅(山丸一番館)では、かつての繁栄がしのべます。
一覧へ戻る