自維連立政権が追求している衆議院の定数削減は、令和7年10月20日の自民と維新の「連立政権合意書」で、政治改革の一環として掲げられたものである。この合意書で同じ政治改革に掲げられた他の項目をみると、政党法の検討については「政党におけるガバナンスを明確化するため」と、選挙制度に関する両党による協議体の設置については「時代にあった選挙制度を確立するため」とそれぞれ何のためにそれを行うかの目的が記されている。しかし、奇妙なことに定数削減の部分だけいきなり「一割を目標に衆議院議員定数を削減するため」と書かれ、あたかも定数削減自体が目的であるかのような書き方がなされている。
法律を作るためには、それを必要とする事実関係、実態、出来事など、いわゆる「立法事実」が必要である。このことは国旗損壊処罰法の際に強く指摘された(同法の立法事実が不明だったため)。細川内閣の選挙制度改革は、政治腐敗の温床や派閥政治の土台といわれた中選挙区制の廃止という、明確かつ国民に支持された立法事実があった。しかし衆議院の定数削減は、現在定数が多いためこのような問題が起きており、削減が必要だという立法事実がまったく見当たらず、その説明もない。
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