眞島秀和さん(左)、西川大貴さん
撮影・後藤淳
26歳で病死した明治期の「薄幸の天才歌人」という印象がガラリと変わるかもしれません。こまつ座公演「泣き虫なまいき石川啄木」は、彼の最晩年の3年間を描いた、おかしくて切ない評伝劇です。出演する西川大貴さん、眞島秀和さんに魅力を聞きました。
大塚武治記者
物語は一(はじめ、啄木。西川)の死の翌月、残された日記を読む妻・節子の回想で進みます。
一は朝日新聞社の校正係ですが、出社時間はいいかげん、小説は全く売れず、貧乏のどん底。同居する母と妻はいつも言い争い、酒好きの父まで転がり込んできます。
身勝手で泣き虫、自分の才能にすぐ絶望し、親友・金田一京助(眞島)らを困らせる一。人生の辛苦に耐えながら世の中を見る目を鍛え、唯一無二の作風を築く姿をユーモラスに描きます。
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