
撮影・佐藤研二記者
元読売巨人軍球団代表でノンフィクション作家の清武英利さんが、新著『記者は天国に行けない―反骨のジャーナリズム戦記』を刊行しました。現代の反骨の記者たちを、自身の半生と重ねて描く600ページ超の力作です。本書に込めた思いを聞きました。
北村隆志記者
読売新聞の社会部記者として、数々のスクープを報じてきた清武さん。その記者生活は、1975年、最初に赴任した青森支局から始まりました。
「下北半島が原子力半島になりつつあるときでした。その後、原発の問題はずっと意識していました。2011年の福島の原発事故で、恥ずかしながら自分も安全神話に侵されていたことに気づきました。だから、電力業界のヤミ献金や原発マネーを追った『朝日』や共同通信の記者のことは力を入れて書きました。青森の地元紙『デーリー東北』に、一緒にサツ回りした同い年の記者がいます。ずっと現場を見続けてきた荒瀬潔という記者です。彼はいま、そこの会長です。この本は、そういう権力に抗する記者たちのルポルタージュなんです」
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