
都議会自民党の裏金問題について謝罪する都議ら=1月23日
上脇博之・神戸学院大学教授による自民党旧安倍派の裏金事件をめぐる刑事告発を東京地検特捜部が握りつぶした―。日曜版の衝撃スクープ(5日号)が大反響です。しかし検察が握りつぶしたのはそれだけではありません。東京都議会の自民党会派の政治団体「都議会自民党」の裏金事件についての上脇氏の告発も握りつぶしていたことが編集部の取材でわかりました。裏金議員を要職に起用した自民党の高市早苗新総裁。自民党の裏金隠しに検察は加担するのか―。
取材班
2019年と22年に開催した政治資金パーティーの収支など計約6300万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、特捜部は今年1月17日、都議会自民党の会計担当職員を政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で略式起訴しました。一方、パーティー券の販売ノルマ超過分の収入を会派に納めず「中抜き」した都議らはひとりも立件しませんでした。
都議会自民党は、計26人の都議らが裏金づくりに関与していたと公表。その総額は2873万円にのぼるとしました。
収支の訂正と食い違う弁明
その裏金都議のうち2人について上脇氏は新たに規正法違反(虚偽記入)の疑いで刑事告発しました。
一人は、計241万円の裏金受領が判明した柴崎幹男都議です。柴崎氏は1月23日、裏金の全額を政党支部の経常経費として使い切ったとして収支報告書を訂正。編集部の取材に「領収書もある」と話していました。ところが取材の2日後、柴崎氏は収支報告書を再度訂正。裏金の241万円全額を24年に繰り越した、と説明を一転させました。
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